2016/04/27

ヴィアーチェ 「読書感想文?」

ヴィアーチェ 「私たちが本を読んでどう思ったかを作品作りの参考にするんですか?」
工房主 「うん。人によってどういう受け取り方をするのか、その違いを知りたくてね」
アレッサ 「そうすると、あたしらが読む本はマスターが読んだことのあるものでないとダメってことだけど」
工房主 「まあ、そうかな。書庫にあるものにしてくれると助かる」
ヴィアーチェ 「わかりました。ご協力致します」
工房主 「ありがとう。みんなもよろしく頼むよ、礼はするから」
ローナ 「わかりました」
メイリン 「はーい」
クローディア 「了解した」

 


工房主 「さて。読書期間として一週間空けたわけだけど、感想文は書けた?」
ヴィアーチェ 「はい。ご期待に添えるようなものかどうかはわかりませんが」
工房主 「じゃ、発表してもらおうかな。アレッサから、何を読んだ?」
アレッサ 「書庫にあった『シャーロックホームズの帰還』だナ」
工房主 「ほう。で、感想文は書いた?」
アレッサ 「いいや。いびきをかいた」
工房主 「は?」
アレッサ 「漢字読めねーから寝ちゃったんだよ。HAHAHA」
工房主 「あのね……」

工房主 「じゃあ次、メイリン」
メイリン 「私はお絵描き手引書の『4コマ漫画に挑戦!』を読みました」
工房主 「なぜそのチョイス。それで感想文は書けたの?」
メイリン 「感想文は書けませんでしたが4コマ漫画は描けました」
工房主 「いやいやいや。……って私より上手いし面白いし。ヘコむわー」
メイリン 「えへへ(ドヤ顔」
工房主 「かわいいから許す」

工房主 「ローナは?」
ローナ 「私は『Lily White』を読みました」
工房主 「それ私が昔書いたファンタジー小説やないかい! ……感想文は書けた?」
ローナ 「クライマックスの盛り上がりに欠けましたね」
工房主 「誰が上手いこと言えと。大喜利やってんじゃないんだから」
ローナ 「え? そうなんですか?」
工房主 「……」

工房主 「クローディアは? クローディアなら真面目にやってくれたと信じてる」
クローディア 「うむ、書庫にあった『クジャクヤママユ』という作品を読んだ」
工房主 「……? そんなの置いてたっけ?」
ヴィアーチェ 「確かドイツ文学集に収録されていましたね。ヘルマン・ヘッセです」
工房主 「ああ、じーさまが置いていったやつか。ドイツ語で書かれてるから読んでないんだよな」
ヴィアーチェ 「主さんには『少年の日の思い出』という題名のほうがわかりやすいのではと」
工房主 「あれか、オーケー。わかった。それで感想文は?」
クローディア 「書くには書いたのだが……本がドイツ語だったのでうっかりドイツ語で感想文を書いてしまった」
工房主 「読めねぇ……。そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな……」
アレッサ 「アンタそれ言いたいだけなんじゃないかと」
クローディア 「すまない。和訳したものを再提出しよう」

工房主 「結局誰もまともに感想文を書いてないじゃないか」
アレッサ 「まだだ、まだメイド長が残ってる」
工房主 「それはそうなんだけど……この流れじゃあ大喜利にしかならないだろう」
ヴィアーチェ 「ええと……大喜利にしたほうがよいのでしょうか?」
工房主 「んー、まぁ、そういう流れだし。そういうことで」
ヴィアーチェ 「わかりました。では……私は『工房の先月の収支報告書』を読みました」
工房主 「……それで感想文を書いたの?」
ヴィアーチェ 「感想文は書きませんでしたが冷や汗をかきました。こんな収支で大丈夫なのかと」
工房主 「ぐあ……すんません頑張りまス」
アレッサ 「上手い上に急所に的確な一撃……さすがメイド長」
ローナ 「容赦ないですね……」
ヴィアーチェ 「す、すみません。感想文もちゃんと書いてありますので……」
工房主 「うん……あとで読ませてもらうよ」


工房主 「結局何の成果も得られなかったな……」
アレッサ 「他力本願でいらねぇ欲をかいたせいだろ」
ローナ 「とんだ恥をかきましたね」
工房主 「感想文を書いてほしかったんだけど、違うものばっかりかいてどうすればいいのやら」
メイリン 「ところで、協力したらお礼をいただけるんですよね?」
工房主 「ああ、そうだった。ううん、では上手いこと言った君たちには座布団あげよう」
アレッサ 「大喜利じゃねェんだからそんなもんもらっても嬉しくないわッ!」
工房主 「大喜利にしたのは君らだろうがぁぁ!」



          完

 
創作小説 | Comments(0)
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