2011/09/04

※フィクションです

 バイトが終わって川沿いの堤防を歩いて帰宅していると、河原に人が倒れていた。これは大変だと駆け寄ると、近くの有名私立高校の制服を着た女の子だった。全身びしょ濡れで、どうやら何かの原因で川に落ちたか入ったかして溺れたらしい。水を飲んでいるのか、呼吸が止まっている。
 …まぁ、緊急事態だし、人助けだからな…。
 決してやましい気持ちは無いんだと自分に言い聞かせ、人工呼吸をしてやった。やり方は授業で習ったから知っている。
 何度か息を吹き込んでやると、けほ、と小さく咳き込んで、直後に飲み込んだ水を吐き出した。苦しそうにしていたが、自分で呼吸を始めたのでもう大丈夫だと思った。
 それにしても、こんなお嬢様学校の子がどうして溺れてたのか…
 作り物のように整った顔立ちの土左衛門一歩手前美少女を見下ろし、ゆっくりと開かれてゆく瞼の下に覗く少し茶色がかった瞳がこちらを捉えるのを待った。
「気分はどう? 大丈夫?」
 そう尋ねると、美少女は状況がよくわからないといった面持ちで辺りを見回していた。どうやら自分がどうなっていたのかがわかっていないようだ。不安そうにキョロキョロと動く視線が、全身ずぶ濡れの自分と、白いブラウスの下に透ける水色の何かと、まくれ上がったスカートへと移動し、こちらに向いたところで止まった。そして、某汎用人型決戦兵器零号機のパイロットのように真っ白だった顔が茹で上がったタコのように真っ赤になり、今まで止まっていた肺がそのブランクを取り戻すかのように大量の空気を吸い込む。その空気は、
「きゃあああああああああああああああああああああああああああっ!」
 呼気ではなく悲鳴となって放たれた。
 …なんとなく、これはマズイ、と本能が告げる。
 ここにいたら面倒なことになる。
 その予感は「応募者全員プレゼント」の景品なみの確実さで背中に張り付いていた。
 即時退避。
 脳内軍曹の命令に従い、その場をダッシュで逃げ出した。




 ……と、こういう冒頭の短編でも書いてみようかなぁ、と思う台風一過の夕刻。

 ま、お子様厳禁マンガによくあるパターンですね。

 
小説 | Comments(2)
Comment
↓今後の展開予想
迫る警察の手を掻い潜りながら、冤罪を晴らすべく奮闘する史上最強のスリルアクションストーリーに発展するに1000ペリカ。
◎ 烈風さん

>史上最強のスリルアクションストーリーに発展
その発想は無かったw
うむ。普通にラブコメを書くのが間違ってる気がしてきた。

誰か烈風さんのシナリオで書いて!(殴

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