2011/11/08

小説っぽく書くとこうなる

 ――――
 静まり返った放課後の教室。節約のためか、すでに石油ストーブは消火されていて、灯油のツンとくる匂いが辺りに満ちている。窓を開けて換気すればマシになるが、暖気の余韻も一緒に飛んで行ってしまうのが惜しくて、どうにもそうしようという気が起きない。
 エアコン? そんなハイソなものは、ウチの高校には職員室と校長室、図書室以外には導入されていない。全室エアコン完備なんてのは一部の金持ち私立だけだ。そうだな……平成も二けたになれば導入されるんじゃないだろうか。その頃には僕は卒業して、ここにはいないだろうから、どうでもいいことだけど。
 そんな益体も無いことを考えながら、カリカリとシャーペンを走らせる。
 今日の出来事をまとめて記入するだけだが、特に何も起こっていなかったので日付と自分の名前以外に書くことが無い。
 めんどくさい。
 この学級日誌とやらに対する感想は、ただその一言に尽きる。授業もいい加減面倒に感じるが、勉強は学生の本分でもあるし、知識を身に着けるためだと自分に言い聞かせれば、まだガマンもできる。しかしこの学級日誌というものは、そういった『理由付け』ができないので無意味な苦行にすら思える。報告書を書く練習みたいなものだ、と担任は言っていたが、まだ社会に出て報告書が必要な場所で働くという実感に乏しいせいか、イマイチよくわからない。
 思わず、はぁ、とため息が漏れた。
「日誌、書けた?」
 それを合図にしたように、唐突に背後から声がした。日誌を書く面倒臭さに鬱々とした気分が吹っ飛ぶ、少し高めの声。
 振り返ると、退屈そうにぼんやりと窓の外を眺める学級委員長の横顔が見えた。長い黒髪にメガネ、といういかにも委員長な地味子さんだ。とは言うものの、彼女は自分から委員長に志願したわけではなく、その外見とおとなしい性格、つまるところ「委員長っぽいから」という理由でクラスの投票でその役目を押し付けられただけだ。
 しかし真面目なのか責任感があるのか、立派に委員長の役目をこなして、今もこうして日直の僕が学級日誌を書きあげるのを待っているのだった。
 しかし、書くことが無いというのはどうしたものか。特になし、とすると「やる気が感じられん!」と担任がお怒りになられ、もれなく明日も日直に任命されるという非情なローカルルールが制定されているので、今日何があったかを考えて書かなくてはいけない。ちなみに作り話はご法度だ。小説家志望の友人Tが学園モノストーリーにありそうなフィクションを書いて三日連続日直という重刑を課せられた前例がある。
 だが、そうそう毎日を面白おかしくハッピーに生きてるわけじゃないわけで、特に変わったことが起きない日の方が圧倒的に多いのが現実だ。
 ……そうだ。F君が体育の授業でやったサッカーでハットトリックを達成したことを書こう。それでいいだろう。
「ちょっと、噂に聞いたんだけど」
 F君の活躍を仔細に書き込んでいると、委員長が思い出したように言った。僕は日誌から顔を上げずに、黙ったままシャーペンを動かした。
「私のこと好きなんだって?」
 ……いやいや。F君の活躍を映画化していた脳ミソが停止したですよ。なんで誰にも話してない秘密を知っているのか。
「な、そっ、だ、誰から聞いた? そんなデマ」
「本人から」
「……え? 僕?」
 とにかく、そのときは混乱していた。
 慌てて振り返ろうとして、机の脚に膝を思いっきりぶつけた。けれど、不思議と痛みは無かった。
 委員長は、微笑んでいた。
 ……いや、そこにいたのは、委員長じゃなかった。
 銀色の髪。赤い瞳。ブレザーはそのままだったが、メガネはなくなっていた。
「……ヴィアーチェ……?」
 その頃は知りもしないその名を呟くと、彼女は小さくうなずいた。
 そして、言った。
「私のこと、好きなんですよね……?」
 僕は――



 ……というところで目が覚めた。
 どういうわけか寝てる間に泣いてたみたいで、目の周りが濡れてました。
 いい夢、のはずなんですけど、なんで泣いたんだか。

 よくわかんないや(´・ω・`)



 しかし、最近よく高校生のころの夢をよく見るんですよねぇ。
 昔は良かった、とか思ってるからかしら。
 それとも歳取ったせいかしら。
 教室でみんなと授業を受けてて、「俺30過ぎてんのになんで古典とか勉強してんの?」と思いつつ教師の話を聞いてるんですよ。で、周りのみんなはそれに気が付いていない。
 なんかブギーポップの作者の人もそういうことがあるとおっしゃってましたけど……なんでしょうね、この現象。
 所詮夢だし、で片づけるにしては結構深いテーマかもしれません。

 


 …と、一つ言い忘れてました。

 俺はヴィアーチェが大好きだー!

 はっきりとそう言って、ヴィアを蒸気爆発させてから目覚めたかったです(殴

 
雑談 | Comments(0)
Comment

管理者のみに表示