2014/02/10

アレッサ 「春闘……?」

アレッサ 「なぁローナ。新聞に書いてある『春闘』ってなんだ? 春限定サバゲ大会か?」
ローナ 「そんなマイナーイベントを経済欄で紹介するはず無いでしょう。企業と労組の話し合いのことですよ」
アレッサ 「なんだ……サバゲも市民権を得たなーと思ったが違うのか」
ローナ 「春闘では労働組合が要求を出し、企業が応える形になりますね。要求は主に賃金アップと環境改善です」
アレッサ 「ふーん……。この『ベア要求』ってのがそうか?」
ローナ 「ええ。ベアとはベースアップの略で、基本給の上昇を要求することです」
アレッサ 「じゃあ、ベアが通らなかったら、ずっと同じ額の給料ってことになるのか? 年齢関係なしに?」
ローナ 「いえ、大抵は定期昇給という制度で年齢や勤続年数に従ってアップしています」
アレッサ 「? ベアとどう違う?」
ローナ 「ベアは『底上げ』ですよ。定期昇給とは別に給料が上がるんです」
アレッサ 「はー、なるほど」

 


アレッサ 「というわけで、春闘やろうぜ」
工房主 「……なんだね藪から棒に。それ、春限定サバゲのことじゃないよ?」
アレッサ 「知ってるよそんなこと。この時期の風物詩らしいじゃん」
工房主 「風物詩……なのかな」
アレッサ 「工房の給料って定期昇給も無ければベアも無いよな。ずっと同じ給料だし」
工房主 「待って。ずっと同じってことはないんだけど……」
アレッサ 「ローナに言わせれば春闘は労働者の権利だそうだ。交渉の席にはついてもらうよ」
工房主 「もちろん要求は聞くよ。応えられるかどうかは別として」
アレッサ 「良い心構えだ。さっそくみんなを集めて話し合いに入ろうぜ」
工房主 「いいとも」


アレッサ 「……おい。メイド長は『そっち側』なのか……?」
工房主 「そりゃあ工房においてヴィアーチェは『経営者』だからね。私の側だよ」
アレッサ 「くっ……」
アレッサ (メイド長をけしかけてマスターを懐柔する作戦がこれでパーだ……ちくしょう)
工房主 (あの顔はヴィアーチェを盾に交渉しようとか思ってたんだろうなぁ……)
工房主 「じゃあ、始めようか」


工房主 「交渉の前にまずは各人の仕事の内容に関してまとめておこうか。アレッサから」
アレッサ 「工房の清掃、接客、警備ってところか。設備の管理保守もあたしの仕事だな」
ローナ 「メイド長の補佐がメインですね。あとは接客、食事管理・買い物、一部工房資産の管理ですね」
クローディア 「洗濯、水回りの掃除、庭・畑の管理、警備だ」
メイリン 「お掃除と調理、接客、衣装作成です」
ヴィアーチェ 「経理、経営、主さんのお仕事のスケジュール管理と身の回りの世話、でしょうか」
工房主 「仕事内容に関して、是正したいところは?」
アレッサ 「別に。事件でも起きない限りヒマなもんさ」
ローナ 「勤務時間内でも業務に支障の出ない私用の時間を許可されているので特に不満はありません」
ヴィアーチェ 「主さんに帳簿の見方を覚えていただければと思いますが、それだけです」
工房主 「う、うん。なんとか覚えるよ」
ヴィアーチェ 「お願いします」
クローディア 「ほぼやりたいことをやらせてもらっているからな。特に無い。……強いて言うなら」
工房主 「うん、何でも言ってくれていいよ」
クローディア 「いや、主殿ではない。アレッサに、だ」
アレッサ 「あたし? ディアに何かしたっけ?」
クローディア 「うむ。お前のメイド服は非常に洗濯しづらい」
アレッサ 「……はい?」
クローディア 「お前のメイド服は防弾繊維でできているだろう。洗濯するのに手間がかかって困っている」
アレッサ 「まぁ、44マグナム弾でも貫通しない特別仕様だからなぁ。仕方ないよ」
工房主 「やたらアレッサのメイド服だけが高価だと思ってたらそんなことになってたのか……」
クローディア 「自分で洗濯するか、洗濯回数を減らしてくれると助かるのだが」
アレッサ 「……善処しまス」
工房主 「その交渉は当人同士でやってもらうとして……あとはメイリンか」
メイリン 「もう少し衣装作成に時間を頂けたらと思います」
工房主 「もう少し時間がいる?」
メイリン 「はい。できれば午前のお掃除を短縮していただけないかと……」
工房主 「んー……メイリンの手作り衣装販売は工房の大事な収入源だし、希望は叶えてあげたいけど……」
メイリン 「けど?」
工房主 「一緒に掃除業務をしているアレッサに負担が行くことになっちゃうからね」
アレッサ 「ん? あたしは別に構わないよ。愛するメイの頼みだし、毎日おっぱい触らせてくれるなら喜んで」
メイリン 「頑張ってお掃除します!」
アレッサ 「えー……」
メイリン 「だってアレッサさんがいっぱい揉むからおっきくなっちゃって、規則に違反しちゃう寸前で……」
工房主 「え? いくつになったの? 正直に答えて?」
ヴィアーチェ 「主さん。それはセクハラです。おやめください」
工房主 「すみません。撤回します」
アレッサ 「つか、『工房メイドはひんぬーでなくてはならない』とかいう工房規則、必要か?」
工房主 「いや、ギャグで作っただけだから別に無くてもいいけど」
アレッサ 「をいコラ……」
工房主 「そもそもクローディアはサラシで隠してるけど、3年くらい前から明らかに違反してるよね?」
クローディア 「……気づいていたのか」
工房主 「ローナも規定値を超えてるし、ヴィアーチェもそうだ」
ヴィアーチェ 「……っ!」
ローナ 「ご存じだったとは意外です。健康診断の詳細は伏せていたはずですが」
工房主 「『ひんぬー教』の敬虔な教徒をバカにしないでほしいな。服の上からでも見てればわかるんだよ」
ヴィアーチェ 「ですからそういう発言はセクハラだと何度言えば」
工房主 「すみません。通報は勘弁してくださいこの通り」
アレッサ 「……というか余裕で規定値内なのってあたしだけかよ……ちくしょう」
ローナ 「体脂肪率が成人女性の平均の半分は伊達じゃないですね」
アレッサ 「うるせー! アキエと同じこと言うな!」
工房主 「気にしなくていいんだよ。私はアレッサがひんぬーでもきょぬーでも関係なく好きだから」
アレッサ 「無いアタマで要らない気ィ使ってんじゃねーよ。そういう甘い言葉はメイド長に言え」
工房主 「そうだね。お胸がどんなでもヴィアーチェが大好きだ!」
ヴィアーチェ 「何でそんな話になってるんですかぁぁぁぁっ!」


アレッサ 「話を戻すけど、メイの分を負担するのは構わないよ。メイのご褒美なしでもな」
工房主 「じゃあ、メイリンは勤務時間をほぼ衣装作成に当てるってことでいいかな」
メイリン 「はい。ありがとうございます」
アレッサ 「でも、食事当番は守ってくれな? メイのメシが食えなくなるのは嫌だ」
メイリン 「わかりました」


アレッサ 「さて。ここからは賃上げ交渉だ。メインイベントだな」
工房主 「そうだね」
アレッサ 「とりあえずさー、定期昇給くらいはやろうぜ」
工房主 「いやあの。さっきも言いかけたけど、ちゃんと昇給してるんですが」
アレッサ 「ウソつけ。工房に来た時から変わってないっつーの」
工房主 「ちゃんと給与明細を見てる? 1年ごとに月給が100円ずつ増えてるでしょ?」
アレッサ 「100円ずつって。小学生のお小遣いよりひでぇ……」
工房主 「仕方ないよ。工房の従業員構成の問題だし」
アレッサ 「構成の問題? どういうことさ?」
工房主 「普通の企業は、社員の年齢層が20代から60代まで大体揃ってるわけだ」
アレッサ 「そうだな」
工房主 「で、毎年新入社員が入れば、その分定年退職で出ていくことになる」
アレッサ 「うん」
工房主 「だけど、人は入れ替わってても社員全体の人数は変化しないんだ。わかる?」
アレッサ 「ああ。10人辞めて10人採用してりゃそうなるわな」
工房主 「だから、例えば今年25歳の社員が26歳になって定期昇給しても、全体の人件費はさして変わらない」
アレッサ 「ん……? なんで?」
ローナ 「25歳の人は、前年26歳だった人の給料と同じ額になるだけだからですよ」
アレッサ 「あー、つまり、椅子が10脚あって、10人が毎年隣の椅子へ順に移動してる……って感じか?」
ローナ 「そうです。移動先の椅子が無くなった人は定年退職、端の空いた椅子に新入社員が座ります」
アレッサ 「オーケー、わかった。で、なんで工房だとそれが出来ない?」
工房主 「新入社員も退職者もいないからだよ。5人がずっと固定されているから定期昇給できない」
ヴィアーチェ 「正確にはできなくはないですが、年々人件費だけが増えますので経営圧迫の要因になります」
工房主 「でも昇給無しってのはさすがになんだから、せめて100円でもと」
アレッサ 「わかった。そっちの事情はわかったよ」
工房主 「すまないねぇ……ショボい雇い主で」


アレッサ 「それにしたって、給料が安すぎる気がするんだけど」
工房主 「基本給はね。でも出来高制も導入してるから、仕事を取ってくればその分上乗せしてるし」
アレッサ 「何それ。初耳なんだけど」
ヴィアーチェ 「例えばメイリンさんの場合、衣装の売り上げの6割が報酬になっています」
アレッサ 「6割!? メイって結構な数を売りに出してたけど、一体どんだけ稼いでんのさ!?」
メイリン 「うーん……よくわかりませんけど、材料費は自前ですから純収入は少ないですよ」
アレッサ 「自前て。そこは経費で落としてやれよ……」
メイリン 「生地屋さんで『コレだ!』と思うと衝動買いしちゃって、領収書を貰い忘れたりするんです」
ヴィアーチェ 「生地の私的使用もありますし、経費にすると管理が大変なんです」
メイリン 「それにミシンや受注用PCは工房の備品を借りていますから。生地の実費は納得済みです」
アレッサ 「まぁ……メイがいいならあたしがどうこう言うこっちゃないんだろうけど……」
工房主 「クローディアも、畑の収穫物を売ったお金の3割が給料に上乗せされてるんだ」
アレッサ 「30%? それはちょっとピンハネが過ぎないか?」
クローディア 「メイリンと違って植物の苗や肥料、土地、道具はすべて工房持ちだからな。妥当だ」
アレッサ 「へぇ……。じゃあローナも何かやってるのか?」
ローナ 「投資などで工房の資産を増やして、利益のいくらかを戴いてますよ」
アレッサ 「てことは、あたしだけか。基本給で生活してんのって」
工房主 「そうだね。アレッサも何か仕事を取って工房の収入に貢献してくれれば還元するよ」
アレッサ 「なるほど。そうだナ……ヒマなときに近所の志願者に軍事教練でもしてやるか」
ヴィアーチェ 「そういうのはやめてください……」


アレッサ 「なんだろう、話を聞いてるとベア要求しづらい雰囲気になったナ」
工房主 「そう?」
アレッサ 「なんつーか、仕事した分がキッチリ工房メイドに還元されてるっぽいし」
工房主 「仕事の代価をキッチリ払う、それが工房の理念だからね」
アレッサ 「待遇もあまり悪くないんだよナ。基本的に残業無いし、あっても残業代が出る。休みも取れる」
ローナ 「強いて言うなら基本給が著しく安いというところだけでしょうね。悪いのは」
工房主 「そこは府の最低賃金を辛うじて割ってないから勘弁してください……」
アレッサ 「うーん……これでベアを! とは言いづらいな」
工房主 「じゃあ要求は止める? 経営者側としては人件費を抑制できるのは助かるんだけど」
アレッサ 「……止めない。やっぱり給料は高いほうがいいし。通らずとも要求はしておく」
工房主 「まぁ、そのための交渉の場だしね。それで、アレッサが考えるアップ額はいくらぐらい?」
アレッサ 「…………」
ローナ 「具体的に考えていませんでしたね?」
アレッサ 「か……考えてるさ。月給にプラス1万だ」
工房主 「年額12万上乗せって……ウチはト○タみたいな大企業じゃないんだけど……」
アレッサ 「無理?」
工房主 「厳しすぎる。ベアはメイド隊5人分ってこと、考えてる? 年60万の経費アップだよ」
アレッサ 「大切な大切な工房メイド隊のためにマスターが死ぬ気で頑張ってくれればあるいは」
工房主 「無理無理無理」
アレッサ 「ちっ……。じゃあいくら出せる?」
工房主 「少しばかり待遇を変えることを前提にするなら、3000まで上げられるかな」
アレッサ 「上出来じゃん。……あ、でも前提って何さ?」
工房主 「昼と夕の賄いご飯だよ。今は無料だけど、1食当たり1人100円を徴収しようかと思ってるんだ」
アレッサ 「あー、ご飯な」
工房主 「今は経費から支出してるけど、結構厳しくてね。みんなに負担してもらいたいんだ」
アレッサ 「それくらいタダでいいじゃねーか。ケチ臭い」
工房主 「休日も工房にやってきて昼夕2食を食べて帰る人に言われたくないんだけど……」
アレッサ 「休日に独り寂しくメシ食ってるマスターを思って来てやってんだよ」
メイリン 「アレッサさん、ヒマなんですか?」
アレッサ 「…………そんな明け透けに言うなよ……泣けてくるじゃん」
工房主 「その気遣いは嬉しいけどね。大抵はヴィアーチェが来てくれてるし大丈夫だよ」
アレッサ 「休日までメイド長を忙しく働かせるなんて酷い雇い主だな」
ヴィアーチェ 「いえ、私が勝手にしていることですので……」
ローナ 「アレッサさん、察してあげてください」
アレッサ 「何を?」
ローナ 「せっかくの二人きりの休日を邪魔しては野暮と言うものですよ」
ヴィアーチェ 「ローナさん!? そういう意味では……」
アレッサ 「あー、そうか。いやスマンかった。今後は控えるわ」
ヴィアーチェ 「アレッサさんまで! そんなんじゃないですから!」
工房主 「そっ、そういえばアレッサってさー」
ローナ (露骨な話題転換……)
工房主 「自炊は全然しないの?」
アレッサ 「あたしのエキセントリックな料理であたしに死ねと!?」
工房主 「ごめんなさい。そうでした」
メイリン 「アレッサさんの料理は化学兵器ですからねー」
アレッサ 「そこまで言われる筋合いはないと思うけどナ……。下手なのは事実だから反論できないけど」
クローディア 「うん? では朝食はどうしている? まさか抜いているのか」
アレッサ 「いや、朝食抜きは体に悪いからちゃんと食べてるよ。大抵はレーションとミルクだ」
ローナ 「なんで自宅でレーションを食べているんですか……」
アレッサ 「大量にあるからなぁ。いろいろメニューも揃ってるし。それ食って何が悪いんだよ」
ヴィアーチェ 「素朴な疑問なのですけれど、アレッサさんのエンゲル係数はどのくらいですか?」
アレッサ 「さあ。レーションは全部知り合いから貰ってるし、飲食費は月2000円もかかってないですね」
ローナ 「基本給だけで生活できるはずですね……それだけ食費が低ければ」
アレッサ 「あん? 普通だろ、これくらい」
全員 『いや全然普通じゃないから』


工房主 「ともかく。食費徴収に応じてくれるなら、ベア3000を実行するよ」
メイリン 「……あれ? でもそれって……」
工房主 「メイリン、意見は後で聞くからちょっと待ってくれる?」
メイリン 「はい」
ローナ 「…………」
工房主 「アレッサ、どうする?」
アレッサ 「1食当たり100円だろ。普通の社員食堂に比べりゃ格安だしな……別にいいんじゃないか」
工房主 「じゃあ、それで交渉成立ってことでいいかな」
アレッサ 「あたしはそれでいいよ。みんなは?」
ローナ 「反対です」
メイリン 「同じく」
クローディア 「同じく」
工房主 (やっぱりダメか……)
アレッサ 「え? なんで? ベアは要らないってのか?」
ローナ 「簡単なことですよ。ベアより食費徴収のほうが額が大きいからです」
アレッサ 「……?」
ローナ 「計算してみてください。月25日出勤で1日2食、そのときの徴収額はいくらです?」
アレッサ 「1日200円だろ、それに25日……って月5000円かかってるじゃねーか!」
クローディア 「それに加えて、休日も食べに来ているアレッサはさらに額が増える」
アレッサ 「謀ったな!? マスター!」
工房主 「それくらいすぐに気づこうよ……。いや、誤魔化せたらいいなーとは思ってたけど」
アレッサ 「なんだとぅ? だったらベアは5000を要求する! 賄い費と相殺だ!」
工房主 「……まぁ、そう来るとは思ってたけどね。別にそれで構わないよ」
ヴィアーチェ 「主さん、それは……」
アレッサ 「言ったな、認めたな。ここにいるみんなが証人だから撤回できないぞ?」
工房主 「構わない。じゃあベア5000円と食費徴収を行うということで決定するよ」
アレッサ 「オーケーだ」
工房主 「じゃあ決定……」
クローディア 「待ってくれ主殿。アレッサ、少し話を聞いてもらいたい」
アレッサ 「ディア? 何だよ?」
クローディア 「食費徴収はベアの交換条件だ。ベアがなければ食費徴収も行われない」
アレッサ 「そうだよ」
クローディア 「ならばそんな相殺するような交渉はする意味が無い」
アレッサ 「そうかもしれないけど、基本給がアップした明細書を見たいじゃん」
クローディア 「だが食費を差し引いた項目も載る。明細書にマイナス金額の表示が増えるのだぞ」
アレッサ 「それは仕方ない。交換条件だからな。何が不満だよ?」
クローディア 「気分的なものだが……このアプローチでは伝わらんか。では簡潔に訴えかけよう」
アレッサ 「?」
クローディア 「改めて言うが、食費徴収が無ければ昼夕の食事は無料だ」
アレッサ 「だから?」
クローディア 「金を払って食うよりもタダメシはずっと美味いぞ!」
アレッサ 「なるほど!」
工房主 「うわ納得したッ!?」
ローナ 「アレッサさんには理屈よりも感覚に訴えかける方が有効ですからね」
クローディア 「これでもまだベア要求するか?」
アレッサ 「しないしない。現状維持でいいよ」
クローディア 「……と、いうわけだ。主殿」


工房主 「じゃあ、他に何も無ければ交渉は終了ということで」
ヴィアーチェ 「メイリンさんの勤務時間の変更は、後に相談します」
工房主 「では、工房春闘はこれをもって終了。お疲れ様でした」
アレッサ 「お疲れー」


ローナ 「さて、『春闘』を経験してみて、いかがでしたか。アレッサさん」
アレッサ 「案外面白かったけどな。結局『現状維持』で終わったのはどうかと思うけど」
クローディア 「何を言うかアレッサ。現状維持で済んでよかったと言うべきだ」
アレッサ 「どうしてさ?」
クローディア 「ベア5000で食費徴収する結果になったら、休日に来ているお前は足が出ていたぞ」
アレッサ 「…………。うっわ。マジだ!」
クローディア 「やはり気づいていなかったな……」
アレッサ 「不覚だ。交渉ごっこがやりたかっただけであんまり考えてなかったからなー」
ローナ 「あなたのごっこ遊びに私たちのお給料を賭けないでいただけます?」
アレッサ 「まぁ、いいじゃん。損したわけじゃないんだし」


アレッサ 「さあ、今日も張り切って仕事しようか!」



          終




 …ところで春闘って組合と会社の交渉を指すらしいけど、このSSの場合も春闘って呼んでいいのかしら。

 
創作小説 | Comments(2)
Comment
おお。
面白かったっす。
みんなのキャラがイイね。それぞれ。
◎ まったくさん

読了あざっす。
以前から工房でみんなは何をやっているのか、というのを書いてみたいと思ってまして、新聞を読んでて「春闘」の文字を見つけて「これだああああ!」と思いつくままに書いてしまったんですが、どうやってオチをつけようかとさんざん悩んだですよ(笑
少しでもお楽しみいただけたようでなによりです。

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