2015/02/03

豆を撒くなら

 節分なので何かイラストを描こうと思いましたが、ペンタブを持つ手が不調なので急遽SSになりました。
 …ええ、はい。単に上手く描けなかっただけです。

 というわけで、急ごしらえのSSで勘弁していただきたく。

 


工房主 「さて、今年も節分がやってきたわけだが」
アレッサ 「ああ、みんなで黒くて太いアレを口いっぱいに咥えるやつな」
工房主 「恵方巻きをそんなエロい感じに表現するな!」
アレッサ 「いや? そんなつもりはないんだけど……」
ローナ 「主さんがそういう風にイメージするからじゃないですか」
クローディア 「うむ。メイド長の手前、自重した方がいいな」
工房主 「あれ……? 私が悪いの……?」
アレッサ 「で、節分がなんだって?」
工房主 「ああ、そうそう。豆撒きなんだけどさ、今年の鬼役を決めようと思って」
クローディア 「鬼? 主殿の決まり役ではないか」
ローナ 「ですねぇ」
工房主 「そうだけどさ。私もたまには豆を撒いてみたいわけで。サイコロで決めようと思うんだけど、どうかな」
アレッサ 「そんな見え見えの結果になる選別に何の意味があるんだよ……」
工房主 「まあ、そう言わずに。一応やってくれないかな」
ローナ 「私は別に構いませんが……」
メイリン 「私も」
クローディア 「私は一向に構わないが」
アレッサ 「まー、たまにはいいか。乗ってやんよ」
工房主 「うん。ヴィアーチェは?」
ヴィアーチェ 「主さんがそうおっしゃるのでしたら、従います」
工房主 「よし、決まりだ」


アレッサ 「さっき、鬼はサイコロで決めると言ったな?」
工房主 「うん。単純にサイコロを一つ振って、一番数字が大きい者が鬼ってことで」
ローナ 「大きい方?」
工房主 「そう。大きい方。同数が二人以上出たら、その人たちで振り直しするんだ」
クローディア 「ルールはわかったが、どうして大きい方なんだ? 普通は小さい方だろう」
工房主 「私はとかく小さい数字を出すことが多いからね。その対策だよ」
アレッサ 「セコい……」
工房主 「まあまあ。私のことだからどうせ逆目で『六』とか出しちゃうって」
ローナ 「でしょうね。主さんはそういう方です」
工房主 「じゃ、私から振るよ」


ローナ 「……主さんは『三』ですね」
工房主 「自分でも驚いてるんだけど、これって安全圏だよね」
アレッサ 「わかんないよ。あたしらみんなして『一』とか『二』を出すかも」
工房主 「ありえるからやめて……」
クローディア 「では次は私が振ろう」
工房主 「……『四』以上出ますように……」
アレッサ 「マスター、願望が口から漏れてるぞ」
クローディア 「うむ、『二』だな」
工房主 「うう……。次、ヴィアーチェ」
ヴィアーチェ 「はい。……『三』です」
アレッサ 「おお、マスターと同じか。これは同点決勝戦の展開か?」
工房主 「ヴィアーチェに豆をぶつけるなど節分が許しても私が許さん。ヴィアーチェに決まったら私が代わりに鬼になる」
アレッサ 「おーおー、かっこいいこと言うねぇ。メイド長はどう思います?」
ヴィアーチェ 「お気持ちは嬉しいですが、私を特別扱いしてみなさんに不公平を強いるのはお止めください。それは私の主のなさることではありません」
アレッサ 「だ、そうだ。残念だったな」
工房主 「…………」
ローナ 「聞こえてませんね。『私の主』という言葉に萌え死んでますよ」
アレッサ 「やれやれだナ。……で、ローナはいくつ出た?」
ローナ 「工房に来る前は嫌と言うほどサイコロを振っていましたからね。狙った数字を出すのは難しくありません。もちろん『一』です」
アレッサ 「さすがは元サマ師。ウデは鈍ってないな」
メイリン 「次、私が振りますね」
アレッサ 「メイの運の良さがあれば『四』以上になることはないだろ。なんと言っても幸運の女神に溺愛されてるからなァ」
クローディア 「うむ」
ローナ 「ですね」
メイリン 「出ましたー。『五』です」
アレッサ 「!?」
ローナ 「!?」
クローディア 「!?」
ヴィアーチェ 「!?」
工房主 「なん……だって……?」
アレッサ 「待て、なんでだ? なんでメイに『五』が出るんだ?」
ローナ 「ありえません……」
メイリン 「……? どうしてですか?」
アレッサ 「どうしてもなにも。罰ゲームに当たるなんてラッキーガールのメイらしくないだろ」
メイリン 「おかしくないですよ。鬼のコスプレをしたかったですし、当たれーって思ってました」
工房主 「……なるほど。納得」
アレッサ 「納得いかん! あれだ、あたしが『六』を出せばメイが鬼をやらなくても済むんだ!」
メイリン 「いえ、私は別に鬼をやっても……」
アレッサ 「でぇぇぇいッ! 来い! 『六』ッ!」
工房主 「…………」
アレッサ 「…………」
ローナ 「……『一』ですね」
クローディア 「うむ。『一』だな」
工房主 「見事な赤目だ」
アレッサ 「うあああああああ……」


メイリン 「着替えてきましたー」
クローディア 「ブカブカの赤い全身タイツに豹柄のパンツ、ツノ付きパンチパーマのカツラ、それに金棒か。子供が絵に描くような『鬼』だな」
工房主 「……なんかパンチヅラのせいでド○フのカミナリ様に見えるのは気のせい?」
ローナ 「大阪のオバちゃんという感じもしますね。豹柄のせいで」
アレッサ 「なんでや、可愛いやんか!」
ヴィアーチェ 「アレッサさん、大阪弁になってますよ……」
工房主 「ま、鬼っぽいほうが気分が出ていいかもね。じゃあ始めようか」
アレッサ 「オーライ。みんな、豆は持ったか?」
ローナ 「はい」
クローディア 「待て、メイド長と分けているところだ」
ヴィアーチェ 「はい、そのくらいで。準備できました」
工房主 「こっちはオーケー」
アレッサ 「よし。じゃあ……撃ち方始め!」
工房主 「待てええええええええ! 豆まきガトリングは禁止って言っただろ!」
アレッサ 「えー……」
工房主 「えー、じゃなくて!」
アレッサ 「だってさー、節分でしかこのガトリングは使えないんだし、今使わないでいつ使うんだよ……」
メイリン 「あの……っ……痛くしないで……ください……」(涙目
工房主 「…………」
アレッサ 「…………」
メイリン 「痛いの……ヤダぁ……」(上目使い
アレッサ 「…………」
工房主 「……?」
メイリン 「……アレッサさん? どうしてこっちに……」

アレッサ 「メイはあたしが護るけぇのぉ! お前ら全員かかってこいやぁぁぁぁ!」

工房主 「鬼側に寝返ったぁぁぁぁぁぁッ!?」
クローディア 「待てアレッサ! そのガトリングの威力はメイド長とローナには強すぎる!」
アレッサ 「やらせはせん! メイには一粒たりとも当てさせはせんぞ! その前にこの対節分用カスタム豆撒きガトリングで成敗してくれる!」
工房主 「鬼が豆で人間を倒すとか節分の筋書きじゃないんですけど!」
ヴィアーチェ 「やめてくださいアレッサさん!」
アレッサ 「うはははははははは!」
工房主 「ダメだヴィアーチェ、アレッサには聞こえていない! 危ないから私の陰に隠れて!」
ヴィアーチェ 「それでは主さんが……!」
工房主 「大丈夫! 当たらなければどうということは……痛い痛い痛い痛いすんませんマジ痛いんですけど勘弁してください……!」
クローディア 「我を忘れてしまいおって……! やむを得ん、これでアレッサを止める!」
工房主 「そ、それは……! 枡ごと豆を投げる秘奥義『鬼は外ストライク』ッ!?」
ローナ 「なんですかそのセンスの無いネーミングは……」
クローディア 「工房をあらゆる脅威から護るのが私の務め。許せ、アレッサ……!」
アレッサ 「はははッ……!?」

 ごめす。

アレッサ 「ぷぎゅ。」
ローナ 「顔面に命中を確認。目標、沈黙しました」
クローディア 「……ふむ」


工房主 「メイリンに鬼役をさせちゃいけないね。来年からは今までどおり、私が鬼役をするよ」
ヴィアーチェ 「その方が良いでしょう。今回のことでよくわかりました」
メイリン 「……ごめんなさい」
クローディア 「メイリンが謝ることではない。気に病むな」
ローナ 「悪いのは暴走したアレッサさんです」
メイリン 「でも……私の鬼の衣装でアレッサさんを外に放り出すのはちょっとやりすぎなんじゃ……防寒性皆無ですよ」
工房主 「少しは反省してもらわないといけないからいいんだよ。アレッサはこの程度で風邪を引くほどヤワじゃないし」
アレッサ 「そんなわけあるか! あたしだってこの季節にこんな薄着じゃ風邪引くわ!」
工房主 「そうか。じゃあ風邪を引かないように無病息災を祈って歳の数だけ豆を食べようか」
アレッサ 「……上手い事まとめやがって……ちくしょう」


          おしまい

 
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